石川酒造株式会社求人バックナンバー | 生き方で出会う三重の仕事 なりわい

石川酒造株式会社

柔らかな水をそのままに
伝統の深みを楽しみながら
届けつづける今年の嗜み

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※こちらのお仕事は、現在募集を休止しております。
募集再開時、同社への応募にご興味をお持ちの方は、文末の応募フォームより、転職エージェントまでご相談ください。

三重県は四日市市と、鈴鹿山麓そびえる菰野町の境界辺り。柔らかな水源に恵まれるこの土地に、天保以来長く酒造りと向き合い続ける酒蔵、石川酒造株式会社はある。

三重県四日市市桜町129

到着後、駐車場から正面玄関に回り込むまでのわずか1分程の景色。右手側には国の登録有形文化財の建物がつづく。

主屋(しゅおく)をはじめ、対象棟数は全部で15棟。

取材前から見応え充分だ。

 

正面入り口に回ると、同社の代名詞と言える名酒“噴井(ふきい)”の受賞記念をつづった木製看板が一枚。壁の黒と白木のコントラストが気品と歴史を感じさせる。

玄関から一歩入ると、控えめなガラスショーケースの中に自慢のボトルが並ぶのが見える。

出迎えてくれたのは社長の石川さん。てきぱきとキレの良い受け答えが印象的な石川家6代目の主だ。

日本酒文化を、国内にとどまらず世界に届ける石川酒造の特徴は、何といっても良質な水を生かした酒造りだろう。同社があるこのエリアは、鈴鹿山系の良質な伏流水に恵まれている。その証拠に、200~300メートル程横を流れる智積養水(ちしゃくようすい)は、日本名水百選に選ばれている。

漢字表記をよく見てほしい、

 

“用水”ではなく“養水”。

 

暮らしや命を養う水ということだ。

 

養水までのこのわずか数百メートルの間には、皮肉にも町の境界線が通っていて、「名水百選を使用したお酒」とうたえないところが惜しいところだが、行政の事情を考慮しない自然の摂理に従って事実を見てみれば、同水脈の水を使用した酒造りをしていることは明らかだ。

 

複数の重要文化材に囲まれた中庭には、同社の酒造りの源であるいくつかの井戸がある。そのうち2つは今も使われている。

1つは地下76メートルの井戸。こちらはポンプでくみ上げて使用している。もう1つは地下200メートルから自噴している名物井戸だ。

 

2つの井戸エリアから入り口の方へ少し歩くと、情緒的な植物と石碑のコントラストに目を奪われる。

石にはこう刻まれている。

 

「手を入れて 井の噴き上ぐる ものに触る」

 

戦後の現代俳句を牽引した俳人山口誓子(やまぐちせいし)が、自噴する井戸を読んだ一句だ。

 

歴史や文人のエピソードも相まって、井戸から噴き出る名水は、同社の蔵人の手で名酒“噴井”となり、世界に受け入れられている。

そんな同社自慢の井戸水。

その特徴はなんだろう。

 

欧州が全体的に硬水であるのに対して、日本の水は軟水が多い。特にこの周辺の水脈は超軟水と言われ、低い硬度ゆえの柔らかな口当たりが最大の特徴と言える。

 

酒作りの基本は、“水” “米” “腕”。

 

そうであるなら、井戸から湧き出るこの水の特徴が、そのまま同社の酒の特徴ということになる。あとは豊穣(ほうじょう)の米と、素材の良さを失うことなく酒に育てる同社蔵人の腕が酒を決めるということになる。

 

同社の受賞歴を見てみる。すると、同社の実力はもちろんだが、面白い現代の日本酒市場の実態がうかがい知れる。

 

ロンドン IWC 2017 SAKE部門シルバー賞受賞

インターナショナル・ワイン・チャレンジ (英語: International Wine Challenge、通称:IWC)は、1984年からイギリス・ロンドンで毎年4月に開催されている歴史あるワインコンペであり、2007年からは日本酒部門(Sake Category)が設けられた。そのコンペで、同社の“「噴井」-大吟醸酒”がシルバー賞を受賞している。

 

Kura Master(蔵マスター) 2017 金賞受賞

KURA MASTER(蔵マスター)は、フランスの地におけるフランス人によるフランス人のための日本酒のコンクールだという。初回開催2017年、同社の“「噴井」-純米大吟醸酒”が金賞を受賞している。

 

日本酒の本場、日本国内ではどうだろうか。

 

全国新酒鑑評会(独立行政法人酒類総合研究所) 金賞受賞

本場日本の歴史ある評議会で、同社の「噴井」-大吟醸が金賞に選ばれている。

酒造りの実力については書くまでもない。おもしろいのは、海外市場で日本酒文化が浸透し始めている点だろう。特にフランスの蔵マスターのコンクールコンセプトは興味深い。日本酒の歴史や本場日本人の考える本質云々を抜きにした、フランス人目線のコンクール。こういうものが催される事実は、日本酒が世界の各地で、独自の物差しで嗜むレベルにまで浸透してきていることの裏付けと見ていいだろう。

 

この事実に対して石川社長の見解は鋭い。

 

昨今の海外での日本酒ブームを牽引するのは、お寿司(Sushi)人気によるものだと分析する。

 

食文化とお酒は、切り離しては議論できない。軟水がほとんどを占める日本では、繊細で薄味な和食文化が育まれてきた。軟水は米や野菜を柔らかくし、出汁を使った料理や煮物にも適しているという。一方硬水が多い欧州などの地域では、肉やパエリア、パスタといった洋食文化が育まれてきた。硬水は硬い肉を柔らかくし、パエリアのお米をパラパラに仕上げ、パスタにコシを与える。これは、硬水に多く含まれるミネラルの影響が大きい。

 

これまで硬水前提の食文化を育んできた欧州において、軟水前提のお寿司が流行し、それによく合う日本酒にまで影響が及んでいるという見解だ。

 

なるほどおもしろい。

こうなると記者の質問はだいたい決まってきてしまう。

 

今後の事業構想の中で、海外市場についてはどのようにお考えですか?

 

答えは冷静沈着。一過性のものに踊らされない、ベテラン経営者である石川社長らしい答えが返ってきた。

 

海外での日本酒ブームは、まだまだ一過性の要素が否めない部分があり、今後定着していくにしても、ビジネスとして経済的実りを得られるようになるには、しばらく時間がかかるだろうという。

 

ならば問いかける。

当面の課題は何ですか?

 

国内での販路の拡大に注力するという。国内流通においては、大手流通業資本の通信販売部門が売り上げを伸ばしている現状がある。それらのセグメントとのパイプは既にあるという。

 

景気の復調の兆しも見逃さない。

 

ウェブ領域に限らず、様々な販売機会に積極的に顔を出していくことで、思わぬビジネスにつながることも多いという。

 

「国内での営業活動は、それなりの数を打っていますよ。」

 

海外での受賞などを通して、新たなマーケットの可能性に気づきつつも、これまでの基本ターゲットへの情報発信を怠らない、堅実な経営スタイルが見える。

 

今回の募集職種は、製造工程スタッフだとお聞きしていますが、その課題と今回の募集とは、何か関係があるのでしょうか?

 

その質問の答えを述べるには、今現在の国内の酒造業界について説明する必要がありそうだ。

 

かつて酒造業界では、杜氏(とうじ)を中心とした製造チームが、蔵オーナーから製造業務を請け負うスタイルだったらしい。近年では世代交代も進み、オーナー自らが製造に関わるスタイルが主流になっているという。

 

製造側を見ると、若い世代が酒造り文化そのものに興味を持つパターンが多い。消費者側はというと、嗜むスタイルが、大量飲みスタイルから良いものを少しずつスタイルに変わりつつあるという。

 

結果、より伝統的で本質的に良いものを造るという、本来の酒造りに立ち返る方向性にあるのだ。

同社の人材事情はというと、経営的な意味での後継者に関しては、ある程度の見込みが立っている。時代にあった情報発信を実現する体制は整う見込みがある。課題は製造部門だ。現在酒造りの中心は、経営者である石川社長と質の高いパート社員の方々で構成されるチーム。現状の品質に問題はないが、次世代の製造部門を任せられる正社員がいないという。

その役割を担う人材の募集にあたり、どんな方をイメージされていますか?

 

酒造りは繊細で奥深く、知れば知るほどおもしろい。伝統技法の本質は守りつつ、新しい技術を取り入れるハイブリッドなものの見方が今後は重要になる。酒造りに強い興味があることと、幅広い視野で自ら勉強、研究していく姿勢がないと、良いお酒は造れないでしょうね。」

良いお酒を造りたいという情熱を持った人材を求めているということ。

 

静かに熱い経営者だ。

 

石川社長にとって、良いお酒とは何でしょうか?

 

「その土地の恵み、素材の質を生かし切った酒を造ることですよ。優しくて柔らかい水を使って、優しくて柔らかいお酒を造りたいです。」

素敵ですね。

 

「うまく造れたら、やっぱりたくさんの人に飲んでほしいですよ。そして、飲んでくれた人達が、どんな風に造っているのだろうかと、興味をもってもらえたら最高ですよね。」

 

じわじわ堅実に立ち位置を築いて来た石川酒造。

新しく製造チームに加わっていただく方は、長年酒造りと向き合ってきた石川社長から、直接経験を受け継ぐ権利を手にすることになるようだ。

 

席は1席。

 

興味のある方にとって、なかなか出会えないチャンスだと思うのは、記者だけではないはずだ。

 

過去にも度々、日本全国から就業に関する問い合わせがあったという。

 

そんな会社の社員ポストが現在1席空いている。

大手企業の大量採用とは明らかに毛色が違う。

文字通り、ローカル企業での文化継承に携わる、人生の生業(なりわい)との出会い。

 

我こそはと思う方は、ぜひ挑戦の意思を表明していただきたい。

 

表明方法は明示されている。

わずかな情報の入力とワンクリック。

 

伝統的な仕事と現代技術のハイブリッド。

 

そういう時代なのだろう。

そういう仕事なのだろう。

あなたの情熱はどれくらい?

 

募集要項

職種 現在募集中の職種はありません。

会社情報

社名 石川酒造株式会社
所在地 〒512-1211 三重県四日市市桜町129
連絡先 059-326-2105




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